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九州新幹線・西九州ルートの歴史 新鳥栖〜武雄温泉間の協議は|NHK 佐賀県のニュース


【九州新幹線・西九州ルートの歴史】

福岡と長崎を結ぶ九州新幹線西九州ルートの整備計画が決まったのは、今から半世紀近く前の昭和48年でした。

このとき西九州ルート以外にも、▼北海道新幹線の青森=札幌間、▼東北新幹線の盛岡=青森間、▼北陸新幹線の東京=大阪間、▼九州新幹線鹿児島ルートの福岡=鹿児島間のあわせて5つの路線が計画されましたが、オイルショックや国鉄の赤字などを理由にいずれも着工は見合わせとなっていました。

西九州ルートの計画が動いたのは平成3年でした。

当時の佐賀県知事が武雄市から長崎県大村市、諫早市を経由して長崎市まで直線的な線路を引き、時速200キロで走行できる「スーパー特急」を走らせる案を提示したのです。

結果的にこれが西九州新幹線のルートのもととなり
ます。

翌年にはJR九州がこの案の収支の試算を行い、博多=長崎間は「スーパー特急」で整備する方針になります。

ところがこのとき、JRが並行する長崎本線の▼肥前山口駅(23日から江北駅に改称)と▼諫早駅の間の経営分離を主張し、これに佐賀県の沿線自治体が激しく反対。

結局JRが譲歩する形で自治体が線路や駅を保有して列車の運行はJRが担う「上下分離方式」をとることでようやくまとまり、平成20年、武雄温泉=諫早間で工事が始まりました。

この間、▼スーパー特急よりも高速走行が可能で▼車輪の幅を変えて新幹線と在来線の両方を走ることができる「フリーゲージトレイン」の開発が進められます。

そして平成24年には「スーパー特急」を進化させるような形で「フリーゲージトレイン」を導入する計画が認可され、武雄温泉と長崎の間はフル規格で結ぶことになったのです。

しかし、2年後の平成26年、フリーゲージトレインの耐久走行試験中に複数の台車で小さな傷が見つかり、その後国土交通省は開発を断念。

すでに武雄温駅と長崎駅の間の工事は進んでおり、完成に間に合わせるため、西九州新幹線は在来線の特急と新幹線を同じホームで乗り換える「リレー方式」で開業することになりました。

整備の方針が決まっていない佐賀県内の新鳥栖=武雄温泉間について佐賀県と国土交通省は協議を続けていますが、▼国土交通省がフル規格での整備がふさわしいとする一方で、▼佐賀県にとっては大きな時間短縮効果がないうえ660億円の財政負担が生じるなどの理由で一貫して「フル規格を求めていない」と主張していて、両者で一致できる点は見いだせずにいます。

【新鳥栖=武雄温泉間の協議は?】

整備の方針が決まっていない新鳥栖=武雄温泉間の整備を巡っては、佐賀県と国土交通省の間で「幅広い協議」がおととしからこれまでに6回にわたって開かれました。

このなかで整備方式について、▼現行の「対面乗り換え」と▼「フル規格」のほか、▼車輪の幅を変えて在来線と新幹線の両方を走ることができる「フリーゲージトレイン」、▼在来線を新幹線の線路幅に改める「ミニ新幹線」、▼在来線の規格で武雄温泉=長崎間を時速200キロで走行する「スーパー特急」の5つの選択肢が議論されています。

国は「フル規格」に関して、▼佐賀市北部を通る「北回りルート」、▼在来線に沿って佐賀駅を通る「佐賀駅ルート」、▼佐賀空港を通り九州新幹線・筑後船小屋駅で合流する「空港ルート」の3つのルート案を示し、このうち投資効果が最も大きいのは「佐賀駅ルート」だと説明しています。

「佐賀駅ルート」について佐賀県は、▼博多への所要時間は15分ほどしか短縮されない一方で、▼利便性の高い在来線の特急が廃止されるか本数が大幅に減る可能性が高く、さらに▼試算では660億円の費用負担が発生するとして最も強く反発しています。

また、平成19年に一度合意したもののその後技術的な理由で国が開発を断念した「フリーゲージトレイン」について、佐賀県は目標の最高速度を時速200キロ程度に落として実現できないか再度検討を求めました。

これに対し国は、▼「基本的な走行性能はクリアできたが耐久性で大きな壁がある」とした上で、▼山陽新幹線への乗り入れができない点や、▼現行の「対面乗り換え」よりも所要時間がかかる点などを挙げて、「フリーゲージトレインの導入は困難」との見解を再度示しています。

【新鳥栖=武雄温泉間めぐる佐賀県の立場】

新鳥栖=武雄温泉間の整備の方針を巡って、佐賀県の山口知事は一貫して「佐賀県はフル規格を求めていない」との立場を崩していません。

九州新幹線西九州ルートの与党検討委員会が、「フル規格」での整備が適当だと結論づけているのに対し、山口知事は去年6月、当時の山本幸三委員長に「与党のプロジェクトチームが上から決めつけるのはやめてほしい」と話すなど、「フル規格」を前提とした議論に警戒してきました。

先月には森山裕委員長とも会談し、その後の取材で「フル規格であれば、新たな発想で協議していきたい」と述べ、「フル規格」も選択肢の1つに入れながら国土交通省との協議は続けていく考えを示しました。

一方で、「フル規格」のルート案で国が投資効果が最も大きいとしている在来線に沿って佐賀駅を通る「佐賀駅ルート」については、佐賀と福岡を結ぶ在来線の特急が廃止される可能性が高まることなどから、山口知事は「決め打ちをするべきではない」と強く反発しています。

「佐賀駅ルート」を前提とせずさまざまなルートについて協議していきたい考えですが、ルートによっては、▼博多=長崎間の所要時間が長くなったり、▼福岡県にも財政負担が生じる可能性があったりするため、関係者の間で調整は大いに難航しそうです。

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