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WEB特集 変わり続ける!? おせち料理 | NHKニュース

変わり続ける!? おせち料理



お正月といえば、おせち料理。今回は、おせち料理がテーマです。


問題に挑戦!

問題
イワシの加工品が「田作り」とよばれる理由を答えなさい。
(桜蔭中学校 2010年 改題)

おせち料理の定番のひとつ、「田作り」は、イワシをいって、しょうゆやみりんで甘塩っぱく味付けしたものです。

正解は、「田を作る」と書くとおり、イワシはかつて田んぼの肥料として、稲作に使われていたそうなんです。
こうしたことから、「五穀豊じょう」を願って、おせちで食べられるようになったという説もあるようです。

おせちと言えば、田作りをはじめ、「くりきんとん」や「だて巻き」、「黒豆」それに「紅白なます」といった定番の料理が重箱に詰められた伝統的な料理と思いがちですが、今回、調べてみたところ、私たちの暮らしの変化に伴って、その形式を変えてきた、自由な料理という側面が見えてきました。

“お正月におせち!”は江戸時代から

千葉県佐倉市にある国立歴史民俗博物館でおせち料理を民俗学の観点から研究している山田慎也さんに話を伺いました。この博物館には、デパートのおせち売り場を再現した展示があります。
私たち日本人は、いつからおせちを食べるようになったのでしょうか。

山田さん
「江戸時代になると『おせち=正月』という認識ができたようです。いわゆる節目の節句、3月の節句とか5月の節句など節句がありますよね。そのときに食べる物のことを神様に供えて、自分たちも食べるということで“御節供(おせちく)”と言っていたが、それが正月に限定されるのが江戸時代と言われています」

「節句の供え物」を意味する「御節供」が語源だという、おせち。

こちらは、江戸時代に食べられていたものを再現した図です。
たくさんの料理が少量ずつ詰められる今とは違い、お重の1段には、1つの料理が大量に入っています。
その理由は何でしょうか?

山田さん
「それは結局、おとそのさかな、酒のさかなに出されるものなんです。そのあと本膳と言って正式なお膳、ご飯、おつゆ、おかず、そこにはいろいろなごちそうが並ぶわけです。そうすると、おせちがそれだけであっても、そのあとにごちそう食べるから問題ないわけです」

明治時代 より洗練されたものに

江戸時代には、おとそを飲む際の、いわゆる「肴(さかな)」だったというおせち料理。
現代に似た形に変化するきっかけのひとつとなったのが、明治時代に発行された婦人向けの雑誌だったといいます。

明治36年の雑誌には、おせちの特集があります。

卵焼きは、「すだれで巻いて、細いひもで結っておく」

「キンカンには、縦に5筋、包丁で切れ目を入れる」

家庭でも作れる、おせち向けのおしゃれな料理の作り方や調理のコツ、さらには、洋食の作り方も書かれています。

山田さん
「たまにはちょっと趣向を変えて、洋食のお料理を入れたらどうですかみたいな紹介もあるんです」

明治の時代に洋食を混ぜて大丈夫だったんですね。

山田さん
「家庭の奥さんたちが読むもので、みんな地方から出てきて、それぞれの地方での習慣を守っているわけです。そうすると、東京などの都市で、洗練されたやり方として何をモデルにしたらいいのかというときに、婦人雑誌はすごく参考になったと思います。従来の重詰めだけだと、要するに物足りない。新しい料理を詰めていくことでより洗練され、一方で本膳はだんだんと無くなっていく訳です」

手軽に!多種多様に!

その後も、時代とともに変化したというおせち料理。
大量生産、大量消費という昭和の高度経済成長期になると、既製品を購入して重箱に詰めるというスタイルも出始めます。

山田さん
「1億総中流と言われるように戦前の生活モデルが、戦後、大衆化していく。そうしたときに『既製品を』と、特に1970年代ぐらいになると、食品メーカーの正月向け料理という形で徹底的に販売する。スーパーでクリスマスが過ぎると一面、おせち料理が並ぶみたいな風景があったと思います」

ますます自由度の増した、おせち料理。
近年、デパートの特設会場には、キャビアなど、高級な洋風の食材が詰められたものや、お一人様向けの小さなものなども見られるようになり、人気を集めています。
重箱という外見の形は残っていますが、中は時代とともにどんどん変わっています。

山田さん
「ハレの食べ物として何があるのかというときに、いつもとは違う豪華な食事もあれば伝統的なものを食べようとか。入れ物はありつつそこに何を詰めていくのか、そこに何を思うのかみたいなところが、ある意味受け継がれて変わっていくところがあるのかなと思います」

今は多様性の時代ですし、おせち料理も、今後、どんどん多様化していくのかもしれませんね。

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