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Gastronomic City TOKYO今、東京で注目される若手外国人シェフの実力。 | Urban Safari



2021.10.17 NEW

Gastronomic City TOKYO


今、東京で注目される若手外国人シェフの実力。

美食都市として常に世界のフーディたちから注目される東京。近年は来日シェフたちのレストランにも目を見張るものがある。今号では、世界的に活躍する2人の若手シェフにスポットを当て、その味わいどころを探る。




今、東京で注目される若手外国人シェフの実力。1人めは2020年9月に、アルマーニ / 銀座タワー内にある〈アルマーニ / リストランテ〉のエグゼクティブ・シェフに就任した、カルミネ・アマランテ氏である。彼は1990年ナポリ生まれの30歳。スペインの3つ星〈マルティン・ベラサデギ〉やローマの3つ星〈ハインツ・ベック〉など、錚々たるレストランで修業を積んだ後に来日。大手町にあった〈ハインツ・ベック〉のシェフを経て現職に就いた。

彼の料理の特徴は、ビジュアルの彩度も味わいも軽やかで、華やぎがあること。それは彼自身の素性やナポリ出身という生い立ちにも起因するのだろうが、アルマーニというスーパー・ブランドの看板を背負いながらも、食材由来の個性を引き出すというイタリア料理らしいエッセンスを感じさせるのは特筆に値する。しかも直近は“食品ロス”削減を掲げる“フードロスバンク”の協力のもと、食材の命を最大限に生かすことにも取り組んでいる。

もう1人私が注目するのは、フォーシーズンズホテル丸の内 東京が2021年7月1日から営業をスタートさせたフランス料理店〈セザン〉の総料理長に抜擢された、ダニエル・カルバート氏である。彼は、1987年英国生まれの33歳。英国、ニューヨーク、パリの3つ星店で研鑽を積んだ後、香港のネオ・ビストロ〈ベロン(Belon)〉のヘッドシェフ時代には、同店を『アジアのベストレストラン50』で4位にまで押し上げた実力者である。

彼の料理の魅力は技巧の極致ともいえるディテールの完成度と、味覚の調和が宿っていることだ。調理に求められる正確さを信条とする彼の姿勢は、プロの料理人たちやフーディからの評価も高い。

彼らに共通した味わいどころは、ガストロノミーにおける世界基準のトップランナーでありながら、日本の四季折々の食材で新たな世界観を表現しようとしているところ。それを、最高の空間とサービスで味わえることを口福と呼ばずして、なんとするか。




ARMANI / RISTORANTE
[アルマーニ / リストランテ]
イタリアのモードと美食の融合に目覚める店。

アルマーニのレストランとしての洗練と、日本の風土や素材に寄り添うことを、皿の中で両立させているところがカルミネ氏の真骨頂である。店内のデザインや調度もハイセンスながら、スタッフたちの温かくもきめ細やかなサービスも素晴らしい。昼夜どちらの雰囲気もいい。

今、東京で注目される若手外国人シェフの実力。“金目鯛、枝豆、ライムの香りのコンソメ”の金目鯛と枝豆は、“食品ロス”をテーマにした食材

今、東京で注目される若手外国人シェフの実力。“スパゲット 赤ピーマンとグリーンソース”は岐阜県アルプス農場で変形により市場販売できないピーマンを敢えて使用

今、東京で注目される若手外国人シェフの実力。“あか牛の外もも肉、ナスのテクスチャー”は一般に部位ロスと呼ばれる牛の部分に最適調理を施し最高の味に

今、東京で注目される若手外国人シェフの実力。“煎茶とシトラス”はパティシエの秋山真佐典氏が生み出したデザート

今、東京で注目される若手外国人シェフの実力。カルミネ氏は日本国内の生産者や産地を巡り、食材を無駄なく、美味しく使い切る方法を常に模索




SÉZANNE
[セザン ]
正確無比な調理が新たな味わいを生む。

英国からニューヨーク、香港そして日本。美食都市のトップレストランで研鑽を積み、その集大成をこの〈セザン〉で表現したいと意気込みも熱いシェフのダニエル氏。この年末のミシュランや次の『アジアのベストレストラン50』では台風の目になるに違いない。

今、東京で注目される若手外国人シェフの実力。“鯖 エスカベシュ 蛤”は、刀剣のようなビジュアルに仕立てた鯖料理

今、東京で注目される若手外国人シェフの実力。“有明山農場美膳軍鶏のポシェヴァン・ジョーヌ 杏茸”は中華料理の手法を取り入れたダニエル氏のスペシャリテ

今、東京で注目される若手外国人シェフの実力。自家製パンも絶品だ

今、東京で注目される若手外国人シェフの実力。ダニエル氏は子供時代に母とともにシャンパーニュ地方によく訪れた。このレストランは、彼にとって思い出の詰まったシャンパンを楽しむような特別な空間になってほしいと願う








取材・文=中村孝則 text:Takanori Nakamura

1964年神奈川県葉山生まれ。ファッションからカルチャー、美食などをテーマに新聞や雑誌、テレビで活動中。主な著書に『名店レシピの巡礼修業』(世界文化社)がある。2013年より“世界ベストレストラン50”の日本評議委員長も務める。今春より、JR九州が運行する「ななつ星in九州」の公式ムービーに主演している。


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