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「生き延びるって過酷」 川崎のお好み焼き店がゴーストレストランで三枚看板:東京新聞 TOKYO Web

中村さんが今月始めた宅配や持ち帰り専門の韓国風唐揚げ=いずれも川崎区藤崎で

中村さんが今月始めた宅配や持ち帰り専門の韓国風唐揚げ=いずれも川崎区藤崎で

<かわさきは今 2021緊急事態宣言>
 川崎市川崎区のお好み焼き店に今月、新たな看板が加わった。同じ調理場を利用し、韓国風唐揚げを提供する宅配・テークアウト専門店だ。実店舗をもたない「ゴーストレストラン」と呼ばれる仕組みで、ほかに米ニューヨークの屋台で人気とされる鶏肉料理の看板も。経営する中村ゆきさん(46)は「飲食店として生き延びるすべ」と語り、三枚看板でコロナ禍に挑む。 (石川修巳)

 緊急事態宣言の再発令から一週間。川崎区藤崎の「お好み焼き 輪(りん)」の厨房(ちゅうぼう)は十五日夜、中村さんら四人のスタッフが休憩も取れないほどの忙しさだった。

 「コロナに負けずに元気を届けたい」とつづり、店周辺に二万枚配ったチラシが効果的だったらしい。一時は閉店を考えたけれども、「やれることはまだある」との手応えを得られたという。

 「ただ、これだけ忙しくても、お酒も提供していたころに比べると、一日あたりの売り上げは三分の一。ほかに宅配業者への手数料もかかるし。薄利多売ですが、頑張ります」と中村さん。率直な思いも口をついた。

 「生き延びるって、過酷だなあ」

 鉄板を囲んで、川崎から笑顔の輪をつなげたい−。中村さんがそう願って、地元でお好み焼き店を始めたのは二〇一七年十月。地域の子どもやお年寄りが店に集うようになり、「思い描いた店にできるかも」と手応えをつかみ始めた時にコロナ禍が襲った。

 昨年の緊急事態宣言に伴う苦境で、「やっていく自信がない」と言って店長が辞めた。店の売りだった和気あいあいとした雰囲気も、感染対策のため、できるだけ距離をとるスタイルに変えるしかなかった。

 テークアウトに活路を見いだそうと昨夏、愛媛県にある韓国フライドチキンの人気店に直談判して研修を受けた。約三百万円をかけ、料理を受け渡しする小窓を設けたほか、新たな厨房機器も導入した。

 こうして宅配やテークアウトも行う「お好み焼き 輪」に加え、昨年十二月にニューヨーク発の屋台飯「チキンオーバーライス 輪」、今月には「韓国フライドチキン 輪」の営業を開始。感染防止のため店内飲食は来月七日まで休業し、宅配とテークアウトに絞ることも決めた。

持ち帰り客に韓国風唐揚げセットを手渡す中村ゆきさん(右)

持ち帰り客に韓国風唐揚げセットを手渡す中村ゆきさん(右)

 「頑張って」という励ましが多く寄せられる一方で、コロナ禍での攻めの姿勢に「無鉄砲だ」とやゆする声も。中村さんは「まだ課題はあるけれども、皆さんの温かさがうれしい。走れるだけ走って、全部だめならやめます」と笑顔で語った。


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