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【重要ニュースまとめ(10/22~10/28)】決済大手PayPalがついに暗号資産市場へ参入。本田圭佑が独自トークンの発行計画を発表 | 仮想通貨コラム | 仮想通貨の比較・ランキングならHEDGE GUIDE

今回は、10月22日〜10月28日の暗号資産・ブロックチェーン業界の重要ニュースについて、田上智裕氏(@tomohiro_tagami)から寄稿していただいたコラムをご紹介します。

目次

  1. PayPalによる暗号資産市場への参入
  2. 本田圭佑氏が独自トークンを発行
  3. Filecoin(ファイルコイン)がメインネットにローンチ
  4. まとめ、著者の考察

今週(10月22日〜10月28日)の暗号資産・ブロックチェーン業界は、PayPalが暗号資産市場への本格参入を発表し大きく話題となりました。その他には、サッカー選手の本田圭佑氏による独自トークンの発行計画やFilecoin(ファイルコイン)のメインネットローンチなども発表されています。本記事では、1週間の重要ニュースを解説と共におさらいしていきます。

PayPalによる暗号資産市場への参入

米決済サービス大手のPayPalが、暗号資産市場への本格参入を発表しました。まずは、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ライトコイン(LTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)の4銘柄における売買と管理に対応する方針です。

今回の発表に伴い、ビットコインを含む多くの暗号資産の価格が高騰しました。全世界に2600万以上の導入店舗を持ち、約3億2500万ユーザーを抱えるPayPalの影響力の大きさが伺えます。

PayPalは、暗号資産への対応を進めるにあたり、ニューヨーク州の規制当局より条件付きのライセンスを取得しています。これは、自社だけで完結してサービスを提供することはできないものの、正規ライセンスを取得している企業と提携した状態であれば、営業を行うことができるというものです。

まずは米国を対象にサービス提供を開始し、2021年上半期中に全米への拡大を予定しているといいます。なお、ユーザーはPayPalで購入した暗号資産をPayPalアカウントから出金することはできず、通常の暗号資産ウォレットからPayPalアカウントへの送金もできません。つまり、完全にPayPal内に閉じた形態になるということです。

これは恐らく、先述の4銘柄の資産流出を防ぐことが目的だといえます。暗号資産事業を開始するには、ある程度まとまった額の暗号資産が必要となるため、このような対応になっているのでしょう。

PayPalによると、今回の発表の背景には中央銀行デジタル通貨(CBDC:Central Bank Digital Currency)の影響があるといいます。日本ではなかなか議論が進まないCBDCですが、世界的には既に開発・導入が始まっています。

CBDCは必ずしもブロックチェーン基盤ではないものの、暗号資産との互換性は有するであろうことが予想されるため、PayPalはこの段階でまずは暗号資産への対応を開始したということです。

【参照記事】PayPal Launches New Service Enabling Users to Buy, Hold and Sell Cryptocurrency
【参照記事】PayPalが米国内で暗号資産(仮想通貨)取引サービスを数週間以内に提供開始

本田圭佑氏が独自トークンを発行

サッカー選手の本田圭佑氏が、自身のファンに向けた独自トークン「KSK HONDA コイン」を発行することを明らかにしました。誰でも気軽に独自トークンを発行できるプラットフォーム「Rally.io」を利用するといいます。

Rally.ioは、ブロックチェーンを使ったトークン発行プラットフォームです。イーサリアムが開発者向けのトークン発行プラットフォームとするならば、Rally.ioは非開発者向けのそれだといえるでしょう。

開発の知識なしに独自トークンを発行可能なため、暗号資産・ブロックチェーンをより多くの人に広げることが期待できます。Rally.io上で発行されたトークンは、誰でも購入することができ、将来的には暗号資産との交換にも対応する予定です。

今回、本田氏は自身のファンとの繋がりを一層強化するためにトークンを発行するとしています。トークンの保有者はボイスチャットアプリに参加することができ、ファン同士の交流の場も設けられるといいます。

本田氏はこれまで、システムの都合により国を跨いだファンの参加が困難であるとの理由から、ファンクラブを創設したことがありませんでした。今回、ブロックチェーンを使ったRally.ioを利用することでこの問題を解消することができると説明しています。

暗号資産やブロックチェーンには国境が存在しないため、このような国を跨いだファン同士の繋がりを創出するという目的には、非常に相性が良いといえるでしょう。

【参照記事】Keisuke Honda Creator Coin Announcement
【参照記事】本田圭佑がファン用デジタル通貨を発行へ ファンと「新たな繋がりが欲しかった」

Filecoin(ファイルコイン)がメインネットにローンチ

ブロックチェーンの実現するWeb3.0の時代を支える分散型ストレージ「Filecoin(ファイルコイン)」が、メインネットへのローンチを果たしました。2017年に実施されたICOで、当時最高額となる約280億円を調達し話題を集めています。

Filecoinは、シリコンバレーのProtocol Labsが運営するプロジェクトです。分散型ストレージと呼ばれるカテゴリに分類され、AWS(Amazonが運営)やGCP(Googleが運営)といった既存の集権型ストレージサービスを代替することが期待されています。

分散型ストレージとは、全世界の空きストレージを終結させることで実現する仕組みです。従来のように、特定の企業がストレージを提供するのではなく、我々が普段使用しているスマートフォンやパソコンなどのデバイスに搭載されているストレージの「空いている部分」を活用します。

Protocol Labsによると、現在世界中に存在している全てのデバイスにおける約50%が、使用されていない空きストレージになっているといいます。Airbnbが空き家をシェアするサービスであるのに対し、Filecoinは空きストレージをシェアするサービスだといえるでしょう。

Filecoinでは、利用の際に独自トークン「FIL」が必要になります。Filecoinを利用する側はFILを支払い、空きストレージを提供する側は報酬としてFILを受け取ることが可能です。

今回のメインネットローンチ時点でFilecoinにストレージを提供している人物は、世界34ヶ国で400人を超えています。集まったストレージの容量は、計325PB(ペタバイト)に及ぶといいます。

これは、「映画9000万本」「Wikipediaの完全コピーサイト1400個」「人類がこれまでに作成した全書物の7倍」のデータ量に相当するとのことです。

執筆時点では、607人のストレージ提供者から672PB以上の容量が集まっている(参照:FILFOX)

ブロックチェーンを使用する場合、ブロックチェーンに全てのデータを記録することは適していません。現実的な使い方は、データそのものはブロックチェーン以外のオフチェーンに記録し、そのデータをハッシュ化したハッシュ値のみをブロックチェーンに記録する方法です。

しかしながら、そのオフチェーンが十分に分散されていない状態にある場合、ブロックチェーンを使用する意味がなくなってしまいます。そこで導入が期待されているのが、Filecoinのような分散型ストレージです。

分散型ストレージにデータを記録し、そのハッシュ値をブロックチェーンに記録することで、データの管理を分散化させることができます。こういった理由から、Filecoinに期待が集まっているのです。

【参照記事】ファイルコイン(FIL)ついに「メインネット」公開|暗号資産取引所にも続々と上場
【参照記事】Filecoin Mainnet is Live

まとめ、著者の考察

PayPalによる暗号資産市場への参入は、価格に影響を与えるほど大きな動きとなりました。なお、PayPalの競合である決済大手のSquareでは既に暗号資産決済が導入されており、今後も様々な決済サービスが暗号資産市場に参入してくることが予想されます。

暗号資産をより多くの人に広めるという観点では、本田圭佑氏の独自トークン発行計画は非常にポジティブな要素を持つものだといえるでしょう。ユーザーがブロックチェーンを意識することなく暗号資産に触れることができるため、こうした影響力を持つ人物の取り組みは重要です。

一方で、Filecoinのような基盤システムも着実に開発が進んでいます。引き続きプロトコル(基盤)とアプリケーション(活用)の両軸が進歩することで、ブロックチェーンが普及していくことを期待しましょう。

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田上智裕

株式会社techtec 代表取締役。リクルートホールディングスでの全社ブロックチェーンR&Dを経験後、2018年に株式会社techtecを創業。「学習するほどトークンがもらえる」ブロックチェーンのオンライン学習サービス「PoL(ポル)」を運営。メディアでの執筆や海外での講演などを中心に、ブロックチェーン業界の発展にコミットしている。

田上智裕


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