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ふつうの会社員の売り込み企画が本になるまで―『売上1000億円超!海外営業のプロが教える 世界基準のビジネス英語表現』の制作秘話、明かします|株式会社アルクのストーリー・ナラティブ|PR TIMES STORY

2020年10月15日、『売上1000億円超!海外営業のプロが教える 世界基準のビジネス英語表現』が発売されました。これはNECの海外営業社員の原一宏さんが、仕事を通して書きためてきたビジネス英語フレーズと単語の売り込み原稿を書籍化したものです。

刊行から瞬く間に「Amazonビジネス英会話1位※」を獲得した、本書の誕生や制作過程での裏話、本書の中から特に紹介したいフレーズなどについて、著者と担当編集者の初Zoom対談からお届けします。

※Amazon 売れ筋ランキング 本 ビジネス英会話部門 1位  2020年10月27日調べ (Amazon および Amazon.co.jp は、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です)

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著者・原 一宏さん

日本電気株式会社(NEC)勤務。早稲田大学理工学部卒業後、NECで30年以上にわたり、アメリカとカナダの市場向け通信機器の海外営業を担当。英語で約1000億円超の商談をまとめてきた。英検1級、国連英検A級、英語通訳ガイドの資格を持つ。

編集者・永井 薫

株式会社アルク・書籍編集チーム。東京外国語大学英米語科卒業後、同社にて、英語学習書、通訳・翻訳者向け専門書などの企画・編集に携わる。月刊『ENGLISH JOURNAL』、通信講座「1000時間ヒアリングマラソン」で編集長を歴任する。

担当編集・永井薫:初めまして!

著者・原一宏さん:初めまして、執筆中は大変お世話になりました。

永井:いえいえ、こちらこそ。一度お目に掛かって打ち合わせをと言いながら、結局、本が出るまで会う機会がありませんでしたね。ところで、原さんがお勤めのNEC社内では、この本の評判はいかがですか?

原:おかげさまで、社内メーリングリストなどでも掲載してもらい、興味を持ってもらっています。「売上1000億円なんですね!」と声を掛けられるとどきっとします(笑)。

永井:まずは周りの同僚の皆さんや後輩社員の方々に読んでいただきたいですね。

Zoom対談の様子

事の発端は、大学時代の友達の勧め

永井:原さんのように執筆経験がない方の本が出るというのは、アルクではとてもまれなんです。どういう経緯で原稿をお送りいただいたんでしょうか。

原:私は1984年にNECに入社して、2年後に初めてアメリカに出張しました。英語は学生時代からわりと得意で、大学のESSにも所属していましたし、英検1級も持っていたのですが、現地で自分の英語がまったく通じないことにショックを受けました。

その後、30年以上にわたってアメリカ・カナダで光通信システムや無線通信の仕事をする中で、お客さまや現地法人のローカルスタッフとのやりとりから学んだ英語表現や日米の文化の違いに関するエピソードを書きためてきました。

長年「これを本にしたい」と思いつつ半ば諦めていたところ、今年1月に大学時代の友人に原稿を読んでもらう機会がありまして。その彼が、ぜひ出版した方がいいと背中を押してくれたんです。

そこでアルクさんに企画書と原稿を送ったところ思いがけずよいお返事を頂けて。私は学生時代、『ENGLISH JOURNAL』を購読していましたし、とても感激しました。

永井:こちらこそ、大切な原稿をアルクに送っていただいてありがとうございます。ご友人に相談して、さらに商業出版の可能性のある出版社を調べたというところが、さすが、ビジネスの経験のある方だと感心いたしました。

この本の企画が勝ち残った理由は?

永井:弊社にはありがたいことに、本の原稿や企画案が割と頻繁に送られてきます。原さんの原稿が目にとまったのは、もともと書かれていた文字量が多かったこと。私の記憶では、企画会議まで勝ち残る企画は、最初からどさーっと原稿が送られてくるタイプのものが多いです。

たくさん原稿があるということは、本にしたときの全体の構成がイメージしやすく、また一方で、それだけ時間をかけて準備してくださったということですから、その努力に報いたい、とも思います。

最初に送られてきた200ページを超える原稿

原:永井さんご自身も、お父様がアメリカで働かれていたとお聞きしました。

永井:ずいぶん前ですが、父の仕事で、家族でジョージア州アトランタに住んでいました。そうですね、ですから、父と同じような立場で(父は営業ではなく工作機械のエンジニアですが)働いていらっしゃる原さんの書かれるものに興味はありましたし、同じように海外で英語で苦労されている方にとって、真に役立つ本を出したいという思いは、常に私の中にあります。もちろん、好きな本ばかり作れるわけではないのですが。

原:会議の様子も、頻繁にメールでお知らせいただきましたね。

永井:はい。企画を通す会議では、同じようにアメリカで過ごした経験を持つ編集者が、かなり好意的に推してくれましたし、原稿募集の窓口の担当者からは、原さんからのメールが非常にきちんとしていて、原稿からも丁寧な方だということが伝わってきたと申しておりました。

原:そんなところまで見られていたのですね!

永井:あ、もちろん、原稿の内容がしっかりしていたことが企画が通った勝因なのですが。原稿をざっと拝見したとき、単語やフレーズのセレクトが非常に魅力的でした。ものすごく簡単な単語の次に、見たこともないような難しい単語が来たりしていて、いわゆる教材英語の難易度の基準からすると、バラバラなものが詰め込まれていて。それが非常にリアルだとゾクゾクしました。だって、ビジネスの現場では、日本人学習者にとっての英語の難易度とか頻出度なんて関係ないですからね。

あと、ビジネス英語のマーケットでは、ネイティブをはじめとする、英語教育関係者や元外資系企業勤務、といった方の本はたくさんあるのですが、現役の会社員が書いたというものはそれほどありません。その点も魅力で、かつ、他の本と十分に差別化できると思いました。

コロナで出版棚上げに?

原:2月に永井さんから出版決定のご連絡をいただき、少しずつ追加原稿を書き始めました。3月9日からはアメリカ出張に出たのですが、アメリカ出張中に現地でトランプ大統領から国家非常事態宣言が発令され、帰国できなくなるのでは、と思った瞬間もありました。何とか帰国できたいのはよかったのですが、永井さんからコロナや組織変更により出版延期とのご連絡があり、5月末に再開となるまでしばらく不安な日々が続きました。

永井:会議は通過して出版が決まったのに、途中で頓挫しそうになったこと、とても不安な思いをさせてしまって、申し訳なく思っています。特に原さんにとっては大切な、生涯初めてのご本ですので、なんとか私も、出版の方向に持っていきたいと思っていました。ここですべての編集作業をストップしてしまったら秋の出版には間に合わないので、会社に内緒で、水面下で少しずつ原稿整理を進めたりもしていました(笑)。

原:5月末に再度、出版OKをいただいてからは、永井さんから毎週、章ごとに区切った原稿追加のご依頼とご指導を頂きました。コロナ禍で会社は在宅勤務となりましたので、昼間は会社の仕事の合間に原稿の構想を練って、6月の夜は何週間も深夜まで原稿を書いていました。

永井:急に編集再開となって、春に作業が止まっていた分を取り戻すように、すごい勢いで編集しないといけなくなり。かなり厳しいスケジュールでの加筆をお願いしましたね。

原:永井さんの依頼通り書いていたら、知らないうちに4万字だった原稿が12万字にふくれあがっており、自分でも大変驚きました。

永井:われながら鬼編集者みたいですね!(笑)そうですね。単なるフレーズの解説で終わらないよう、なるべく個人的なエピソードをたくさん書いてください、とお願いしたことを覚えています。

原:永井さんからの追加原稿の依頼とアドバイスなしに、自分のペースで書いていたら本は完成していなかったと思います。

9月の第一週にはゲラの見直しを行いましたが、ゲラという言葉は私には新鮮でした。綺麗なカバーや帯のデザインを送って頂いた時は、本当に自分の書籍が出版されるのだと実感がわいてきて、ワクワクしたのを覚えています。

永井:おっしゃるとおり、カバーや帯が出来上がってくると、本になる実感がわきますよね。原さんが長年海外のお仕事をされてきたことを、ビジュアルでどう表現しようか、デザイナーとさんざん悩みまして、パスポートの、出入国スタンプがたくさん押されたページの写真を送っていただきました。これを加工して、本のカバーのバックに、サイズを変えずに敷いています。あれは楽しい作業でしたね。

アメリカ、カナダ、メキシコへの出張は150回を超える

ネイティブ校正者が知らない英語?

永井:アルクの教材は、印刷までに、何度かネイティブチェックを通しています。原さんの原稿をイギリス・アメリカ・カナダのプロの校正者にチェックしてもらった際、ネイティブが「このフレーズは知らない」と言うものがありました。

原:私の記憶ではsharpen the pencil(値引きをする)とLet’s sync up.(意見をすり合わせましょう)というフレーズは、お問い合わせを頂きましたよね。

永井:そうです。「本当にこういうふうに言うの?」というネイティブ校正者もいました。

原:現場では頻出ですが、念のため、付き合いの長いアメリカの現地法人の社員にも改めて聞いて、間違っていないことを確認しました。sharpen the pencilsync upも、現地社員と一緒にお客さまへの見積もりを作成するときなどに、よく出てくるフレーズです。

永井:いきなり言われると、「え、鉛筆をとがらせるってどういう意味? 私が聞き間違えた?」とあせりますね。現場の息遣いが感じられるような、まさに「生きたビジネス英語」ですね。

自分では使わないけれど、知らないとまずい英語

永井:最初のアメリカ出張のときに、まず覚えたフレーズはJust in case,(念のため言っておくけど)だった、と書かれていますね。

原:そうですね。これは、実際に現場で、コミュニケーションの行き違いや思い込みからくる失敗やミスが多いからだと思います。正確に相手に理解してもらっているかどうかを確認するために、このフレーズはすごく役立ちます。This is a heads-up.(事前に言っておくけど)も似たような例ですね。前もって誤解を排除したり、コミュニケーションをスムーズにしたりするためによく使われます。

永井:なるほど。本の中では、フレーズと対訳だけではなく例文もたくさん出てきますし、何より、原さんのお仕事でのエピソードが盛り込まれているので、同じようにビジネスをされる方は、自分自身を投影しやすいと思います。ほかに紹介したいフレーズや単語はありますか?

原:1つはWhat’s the bottom line?(結論は何ですか?)です。日本人の話は前置きが長くてなかなか結論が見えないので、相手からこう聞かれることが多いんです。自分の方からBottom line is as follows.(結論はこういうことです)と先手を打って、後でゆっくり説明してもいいですしね。もちろん相手から要点を引き出すために、こちらから促すこともありますし。とにかくこれは非常によく使うフレーズです。

2つ目はLet me play devil’s advocate.(異論を言わせていただきます)。日本人は会議で満場一致だと安心しますが、アメリカ人は逆で、皆が賛成すると本当にこれで決めてしまって大丈夫?と思うみたいで、こう投げ掛ける参加者が出てきます。

永井:日本だと、「あと少しで会議が終わりそうだったのに、空気読めよ!」なんて思われそうですが(笑)。これは普通の英語のフレーズ集でも出てきますが、本当にこんなこと言う人いるのかな、なんて思っていました。実際によく使われるんですね。

原:そうなんです。ただ私は自分から言ったことはないかもしれませんが(笑)。アメリカ人はよく使います。

永井:基本的な言い回しですが、You got it.I got it.は、「そうか、アメリカ人はそう使い分けているのか」と驚きました。

原:ニューヨークでタクシーに乗って行き先を告げると、必ずYou got it.って返されるんです。I got it.の方がよさそうな気がしますが、でもドライバーは必ずYou got it.って言うんです。意味上、ちゃんと使い分けているんですね。

なぜ主語がyou?、なぜ過去形?という疑問もありますが、アメリカで長年仕事をしていると、「こういうときはこう言うものだ」と、理屈ではなく経験的に丸々身体に取り込まなければならない英語も出てきますね。

あとは、アメリカ英語は野球由来のイディオムが多いですよね。Two down, one to go. (あともう少しだ)とかthrow a curve ball(意表を突く)、It’s a whole new ball game.(まったく新しい状況[話]です)など。やはりアメリカには、野球と切っても切り離せない文化が根付いています。

永井:そうですね、アメリカ社会に溶け込んで仕事をするためには、野球の話ができると有利ですよね。日本でもちょっと似たところがあるかもしれませんが。このところ、World Englishes(世界中で使われる英語)がフォーカスされ、こうした土地ごとの文化や慣習、歴史を背景にしたイディオムや言い回しが避けられる傾向にあります。でも、アメリカやカナダでビジネスをするのであれば、こういう「濃い」英語も知らないととっさのときに困りますね。自分では使わなくてもいいけれど、相手が言うことを理解するためには、こういう知識を仕入れておくことって大切ですね。

アメリカ、カナダの通信事業社の幹部との打ち合わせ風景。向かって左から2人目が原さん。

私と同じ失敗をしないで、もっと英語とうまく付き合ってほしい

永井:私の知り合いが、これからご主人の転勤で、家族5人でアラバマに転勤されることになりました。ご主人は車メーカーの営業職の方です。こういう方にこそ、この本を読んでもらいたいと思い、一冊プレゼントしました。

ただその一方で、コロナ禍で海外との行き来はすっかりなくなって、ビジネスはオンラインに取って代わられているという方もいらっしゃることでしょう。画面越しだと、相手の表情や仕草や声のトーンから本心を見抜くのは難しい。だからなおさら、現場の英語を学ぶ必要があります。

原: この本では、私がビジネスの現場で学んだ「生の英語フレーズ」を、実践的、かつ具体的な形で使っていただけるようにまとめてあります。私自身の失敗談や、ビジネス上でのエピソードもふんだんに織り込みました。

海外との仕事で実績を上げたい方、海外へ進出して英語でビジネスを展開しようとしている方、外国人上司や部下、同僚と働く方、あるいは実践的な英語をもっと学び、知識を深めたいと思っている方、そんな皆さんのお役に立てればうれしいです。

私は英語でいろいろな失敗をしてきましたが、この本を手に取る皆さんには、同じ失敗をしないでほしい。でもっとうまく英語と付き合い、交渉や商談が成功しますように、それを一番に願っています。

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[アルクとは]

アルクは、1969年4月の創業以来、半世紀にわたって、企業理念として「地球人ネットワークを創る」を掲げ、実践的な語学力を身につける教材の開発をすすめてきた語学教育総合カンパニーです。2021年に創刊50周年を迎える英語学習情報誌『ENGLISH JOURNAL』をはじめ、受講者数延べ120万人の通信講座「ヒアリングマラソン」シリーズ、書籍、研修、eラーニング教材、各種デジタルコンテンツの提供など、語学分野における学習者向けの様々な支援を行っております。 https://www.alc.co.jp/


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