ゲームニュース

5.5畳に55型テレビはアリなのか?(2) ゲーム画質と映画館っぽさに満足 – Impress Watch

前回お伝えしたように、20年ぶりのテレビ 東芝レグザ「55M540X」を購入した。テレビを設置するだけで5,000字ほど費やしてしまったが、もちろんゲームやNetflixなどの映像配信、テレビ視聴などでも活用している。

5.5畳の部屋に55型テレビを導入し、壁寄せスタンドとの組み合わせでの20年ぶりの「テレビ体験」だが、結論から言うととても満足している。

5.5畳に55型はアリなのか?(1) 20年ぶりのテレビは壁寄せ大画面

「PS4 Pro」の画質に満足

テレビを買った最大の目的はゲーム。なので、まずはゲームから。

据え置き型のゲーム機と「55M540X」の相性は申し分ない。4K60pの入力やHDRにも対応していることで、「PS4 Pro」は最高の画質で楽しめる。さすがは2020年発売の製品というところだろう。

PS4 Proを接続。4K60pで、HDR対応コンテンツなのでHDR10も有効になっている。RGBかYUVかはタイトルにより異なるようだ

こちらは別のゲーム。RGBだ

フルHDコンテンツについては、4Kの全画面で見るとボヤけたりするのではないかと、あまり期待していなかったが、最新の映像処理エンジンが効いているのか、少なくとも1.5m程度の距離を空けて見る分には、想像以上に精細で綺麗だ。例えばNintendo Switchはドック経由だとフルHD出力だが4K画面に映しても綺麗で、かなり満足。Blu-rayで買ったアニメの映画を「PS4 Pro」で再生しても、解像度がどうということは気にならず、中身に没頭できる。

筆者の視力は眼鏡着用で1.0弱だが、画面の画素は、70cm程度まで近づくと格子や、場合よっては表示のアラが見え始める。ただ、はっきりいってそんな距離で映像を見ることはない。視聴ポイントに定めた1.5m程度の距離なら、4KでもフルHDの超解像表示でもどちらも綺麗に見られるという印象だ。

DAZNもネトフリも充実のネット動画

前述のように、筆者はテレビ番組全般に馴染んでおらず、アニメもオンデマンド型が便利と書いていたが、最近のテレビにはそうしたネットの動画サービスを見る手段が豊富に用意されている。「55M540X」のリモコンには動画サービスを一発で起動できるボタンが6種類も用意されているし、動画サービスのポータル画面も用意され、13種類ものネットの動画サービスを視聴できるようになっている。

この中で筆者が使っているのは、YouTube、DAZN、Netflixの3つ。「dアニメ」も対応していれば満点だったのだが……。なおNetflixは、せっかくの4K大画面ということで、4K映像も楽しめるプレミアムプランに契約を変更した。

「55M540X」の中で起動するYouTubeアプリは、チャットにコメントができない(機能が存在しない)とか検索ワードを一文字ずつリモコンで打つとかの、プラットフォームや製品グレードに起因する問題はあるものの、視聴自体は問題なくできる。動作も軽快だ。

ただ、YouTubeアプリはけっこう頻繁にアップデートされているが、言語、地域ともに日本に設定していても、時刻表示がUTCと思われる時刻のままという問題に遭遇している。配信予約枠などの「20:00に公開予定」といった時刻の表示が、日本時間とは異なっているのだ。日本時間で何時なのかがすぐに分からず、地味に不便だ。不具合として報告もしているが、執筆時点では改善されていない。

DAZNは、PCのブラウザで利用する場合とほとんど同じUIだが、YouTubeアプリなどと比べると動作が重い印象だ。PC版と同じく、ホーム画面を表示しただけで動画を読み込むので、サムネイルの読み込みが遅れがちで、そうした設計も重いという印象につながっている。映像自体は問題なく、「F1ゾーン」など画面を4分割した映像も55型の大画面なら存分に楽しめる。

Netflixのアプリは、動作が重いということもなく、総じて快適だ。このアプリは動作チェックとして通信速度も測れるようになっている。あくまでNetflixを視聴するための確認機能だが、筆者宅では、「55M540X」の有線LAN(100BASE-TX)の場合で約50Mbps、無線LAN(11ac)の場合は約90Mbpsの通信速度が出ていた。ちなみに有線LANの50Mbpsでも、「Ultra HD 4K」のタグが付いた4Kの動画を問題なく視聴できる。

Netflixなど動画サービスも4Kを含め存分に楽しめる

プロバイダーの通信設備やその逼迫度という意味で、接続速度や快適さにはインターネットの通信規格も影響するが、「55M540X」で利用する上記の3つのネット動画サービスは、いずれもIPv4でサーバーに接続されているようだ。筆者宅はIPv6でインターネットに接続している環境で、IPv4接続についてはプロバイダー側が用意している「transix」というIPv6 over IPv4技術(DS-Lite方式)を使う形だ。ルーターのトラフィックを見ると、「55M540X」でこの3つの動画サービスを視聴した際、いずれもIPv6 over IPv4のトンネリングトラフィックが発生している。つまりサーバーにはIPv4で接続されていることになる。

この3つのサービスはどれも、PCのブラウザで視聴する場合にはトンネリングトラフィックは発生せず、したがってIPv6のままサーバーに接続されている。YouTubeについては以前から知られていることで、Googleのサービス全般が数年前からIPv6で接続できる。DAZNは日本でのサービス開始当初はIPv4での接続のみだったが、現在はIPv6で接続できるようだ。

IPv4は一般的に、ピークタイムの混雑の影響を受けやすい(端折った言い方だが)。IPv6で接続できるサービスにIPv4で接続するのはベストな選択とはいえないし、動画配信サービスで映像が止まるのは大きなストレスだ。レグザの動画アプリでもIPv6で接続できるよう対応して欲しい。

コミック・雑誌がとても読みやすい

「55M540X」のHDMI入力は4つあるので、ひとつはPCと接続し、PCのサブモニターとしても使うことにした。

引っ越しを機に買い替えたものにはPCモニターも含まれているが、こちらも4K解像度になっている。それまでは27型/1,920×1,200ドット、21型/1,680×1,050ドットというPCモニター2台の体制だったが、サブモニターが「55M540X」に置き換わり、27型/3,840×2,160ドット、55型/3,840×2.160ドットという、ダブル4K体制に移行した。

最も心配だったのは、PCに搭載しているグラフィックボード「GeForce GTX 1650 SUPER」が、この2つの4Kディスプレイを問題なく駆動できるのかという点。4K解像度のディスプレイが2つということで、接続しただけでパフォーマンスが落ちるのではないかとビビっていたが、これは杞憂だった。少なくともYouTubeのフルHDの動画を全画面にして再生する程度なら2画面同時でも問題なくこなせる。4Kが高負荷というのはゲームの3Dグラフィックスの話で、画像編集アプリケーションや動画再生程度なら問題にはならないようだ。

「55M540X」を「GeForce GTX 1650 SUPER」のHDMIポートに接続すると「TOSHIBA-TV」として認識される。4K、60Hz駆動のモニターとして利用できる

「55M540X」側で、PCのHDMI入力を確認したところ

もっとも、これまでは2台のモニターを横に並べていたが、今は55型の「55M540X」がイスの右側、真横にあるという配置で、顔を90度右に向けなければならない。2つのモニターを同時に視界に捉えられないので、同時に確認したいウィンドウをサブモニターに移動させておくといった使い方には適していない。

どちらかというと、これまでPCのメインモニターに映していたいくつかのコンテンツを「55M540X」に映し、より大きい画面でじっくりと楽しむ、という使い方になっている。つまり、基本的にはサブモニターでありながら、PC上のコンテンツによってはメインモニターになるのだ。あるいは、メインモニターが2つになり、役割分担をしていると言うこともできる。

代表的なところでは、動画、電子書籍(コミック、雑誌)、PCゲームが挙げられる。特に電子書籍は、コミックなら吹き出しの中のセリフが難なく読めるし、ほとんどの雑誌の文字も小さいと感じることはなくなった。これまでの27型のモニターだと、画面との距離が空くと「文字が小さいな」と感じ、拡大表示を織り交ぜながら読んでいたが、さすがに55型ともなると視界に占める画面の割合が大きく、予想していた以上に読みやすい印象だ。

試しに、手に持ったコミックを「55M540X」に映したコミックと同じサイズになるよう調整してみると、顔から40cm程度の距離になった。視力が1.0前後なら問題なく読める距離で、なるほど予想より読みやすいと感じたわけだ。

電子書籍は予想以上に快適に読める。映しているのはKENT箸「カラーレス」第1巻 (C)KENT/リイド社

動画は、「dアニメ」などのレグザがサポートしていない配信サービスについてで、ブラウザのタブ(ウィンドウ)を「55M540X」側に移動し、再生してから全画面表示にするというのが使い方の流れだ。まぁ、YouTubeもDAZNもNetflixも、この方法でいいのではという考え方もあるのだが……後述する色温度の問題があるのと、テレビが単体で動画サービスを再生できるのは、負荷のある作業の分担、つまりPCのフリーズへのリスクヘッジという点で意味があると思っている。

悩ましい色温度設定、ひとまずPC画面は6500Kに

さて、こうしたPCモニターとしてレグザ「55M540X」を使う場合、地味に問題になってくるのが、色温度や画面の明るさやといった、画質の統一感だ。

「55M540X」でしか見ないコンテンツなら、それほどの違和感にはつながらないが、電子書籍やPCのブラウザウィンドウ、YouTubeの動画など、PCと「55M540X」のどちらでも表示するコンテンツの場合、両者の色温度や輝度の違いは顕著に感じられるようになる。

今回はPCモニターも同時期に新調しているため、まずは利用時間が長くなるPCモニターの設定を固め、「55M540X」もそれに合わせることにした。「55M540X」はHDMI 1~4などの入力端子それぞれに異なる画質を設定できるので、PCと接続しているHDMIの画質設定を、PCのメインモニターとそろえる形だ。明るさについては、「55M540X」の標準設定は全体的に明るすぎると感じたので、どの入力端子でも抑えめにしている。

悩ましいのは色温度だが、まずPCモニターは6500Kに設定した。これまでのPCモニターも6500Kに設定しており慣れ親しんでいるのと、PCデスクに設置したスタンドライトが5000Kという比較的低い色温度の製品を選んだこともあり、画面の中とはいえ、そこから大きく離れたくないという考えがあったからだ。電子書籍を読む際も、色温度を9300Kなどにしてしまうと、青白く派手で刺激的な印象が先行してしまい、落ち着いて読む雰囲気ではなくなってしまう。こと色温度という面では、電子書籍と動画コンテンツの相性はあまり良くないのだ。

こうしたことから、「55M540X」の入力端子のうちPCと接続しているHDMI入力についても、映像メニューで「PC」を選択した上で、色温度を手動で6500Kに設定した。動画よりも電子書籍などの落ち着いて見たいコンテンツを重視した設定ということになる。前述したように電子書籍は大画面・高解像度で読みやすいことに加え、6500Kの色温度にして明るさを控えめにすれば、かなり快適に読める印象だ。

PCと接続したHDMIは色温度を手動で6500Kに設定、PCモニターと統一した

写真はアングル(視野角)の関係で少し色がずれているが、色温度や発色をPCモニター(左)にかなり近づけることができた

「55M540X」の動画アプリは、HDMIなどの入力端子とは別に「ネット動画」としてアプリごとに画質の設定が可能だが、映像メニューを「おまかせAI」にしていると、色温度の設定の幅は狭く、数字(ケルビン)で指定もできないので、9000K前後と思われる高い色温度が基本になる。

とはいえ、「おまかせAI」の、周囲の明るさで画面の輝度を自動調整するといった機能も捨てがたい。テレビを設置している仕事部屋は南西の角部屋で、昼間はロールスクリーンの開け方(=筆者の気分)次第でかなり明るくなる。引っ越し前のように常に薄暗い部屋なら画面の明るさは一定でよかったが、今のように昼と夜で差が大きいと、明るさの自動調整機能は便利だ。

結局ネットの動画は、PCモニターと「55M540X」の動画アプリで、色温度が大きく違ってしまうことになった。今の所は、簡単に中身を確認したい程度の動画はPCモニターで見て、じっくり見たい動画は「55M540X」の動画アプリで見るというように使い分けている。NetflixやDAZNも同様だ。

単体でもPCと組み合わせても“アリ”

初めての液晶テレビ、30型オーバーも初めてなので、理屈ばかりでなく主観の印象についても触れておきたい。

日頃の視聴ポイントは画面から1.5m程度と、比較的近い場所で見るということもあり、55インチクラスの画面は「常に大きいと感じられる」サイズだと思う。それに、部屋を暗くしてNetflixで映画や海外ドラマ、ドキュメンタリーを見ると、視界の多くを占める大画面のおかげでホームシアターのようだ。いや実際ホームシアターといって差し支えない視界の“占有率”なのだが、そんなつもりで買ったわけではなかったので、「けっこう映画館っぽいじゃん」と、ちょっと嬉しかったポイントだ。

狭額縁で薄型だし、壁際に寄せて置けたことで、DAZNでサッカーを見ていると、まるで画面がVIP席の窓になったかのようだ。自分の部屋の中のこれほど大きな映像装置が来たことはなかったし、暗くした部屋の中でスポーツを映していると、なぜか部屋に近未来感、SF感すらある。あくまで、人生の半分をブラウン管モニターで過ごしたおじさんの感覚ではあるが……。

長々とみてきたが、5.5畳の仕事部屋に55型の大画面は、ギリギリだがアリというのが筆者の印象だ。テレビボードやローボードといった家具を使わず壁寄せスタンドにしたことで窮屈さを回避できたし、壁寄せスタンド故に発生した極太のケーブルの束もなんとか見て見ぬ振りをできる範囲だと感じている。

画面との距離は、やはりというか、思ったより重要で、近すぎると全体を見づらいし画素や(場合によっては)アラが見えて残念な感じになるが、遠ざかると視界に占める割合が減って、実質的に大画面ではなくなる。ほかの家具の配置から視聴ポジションにあまり選択の余地はなかったが、結果的に1.5m程度で、最適と感じる距離だったのは僥倖といえる。

「55M540X」は中堅モデルということだが、それでもテレビ浦島太郎の筆者には刺激的な製品だ。ほかのメーカーの液晶テレビを自宅で使ったことがないので、今の常識が分からないのだが、設定項目が多岐にわたり、画質設定などは使い始めて2カ月が経った今でもちょこちょこといじっている。YouTube、Netflix、DAZNの3つのサービスをテレビ単体で起動して見られるのもなにかと楽だ。

入力ソースの詳細な情報を見られる機能は確認に便利で、色温度をはじめ設定を追い込むことでPCモニターとして遜色のない絵にもできた。

買う前は、PCのサブモニターとしては少し使いづらいかなと思っていたが、色温度などをPCモニターの設定に近づけると電子書籍は見やすく、2D主体のPCゲームでも予想以上に活用できている。

テレビ単体ではNetflixなどの動画サービスを楽しむ「メインモニター」だし、PCと組み合わせても「サブときどきメイン」といった塩梅で、その存在感のデカさに違わぬ活躍を期待できそうだ。


クレジットソースリンク

もっと見せて!

Related Articles

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Back to top button