
「Apex Legends」新シーズン開幕なのにEAの株価が「急落」したワケ(現代ビジネス) – Yahoo!ニュース
ニンテンドースイッチ版もリリース決定
日本時間の2月3日未明、バトルロイヤルFPSゲーム「Apex Legends(エーペックス・レジェンズ)」のシーズン8がリリースされた。
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2019年2月4日にリリースされた本作は、記事公開日の本日、2周年を迎える。Xbox One、PS4&5、PCのクロスプレイに対応するエーペックスは3月10日、待望のNintendo Switch版リリースも決定した。
「持ち運べるシューティングゲーム」として、よりライトなユーザーの獲得を図るエーペックス。新武器・新キャラ(本作では『レジェンド』と呼ぶ)が登場するたびにツイッターのトレンドを埋めつくし、「CRカップ」などゲーミングチームや配信サイトが主催する大会も次々と登場、多くの視聴者を集めている。
こうしたブームにともなって、配信元の米EA(エレクトロニック・アーツ)社の業績は好調、2月2日に発表した第3四半期決算では増収減益を発表。株価は上場来高値に到達したが、第4四半期の利益見通しが投資家予想を下回ったこともあり、時間外取引(アフター・マーケット)で急落した。
EA社の業績については後に説明を譲るとして、先にエーペックスがなぜここまで人気ゲームになったか、簡単に考察しよう。ネットゲームの世界において、サービス開始2年が経過してもなおジャンルで1,2を争う人気を維持するのは、簡単なことではない。
雨後の筍のように現れる後発ゲームを次々となぎ倒し、「Fortnite(フォートナイト)」「PUBG MOBILE」「荒野行動」と言った世界的ヒット作との棲み分けも明確になりつつあるエーペックス。プレーヤーからは「他のゲームよりもスポーツ性が高い」「ビジュアルが流麗」といった意見が頻繁に挙がる。
「FIFA」の売り上げがすごい
それに加え、現在のオンラインゲームにおいて主流となりつつある「シーズン制」が功奏している。他のゲームのシーズン制は新たなアイテムやキャラの更新に終始し、ゲーム自体のシナリオは二の次になってしまう場合も多い。一方でエーペックスのシナリオは作り込みが深く、シーズンによってレジェンドの関係性が微妙に変化していく。
これにより、ストーリー性を重視する日本のゲームファンの心を掴み、二次創作も次々と生まれ、ネットで拡散されている。
ユーザーが得られるエクスペリエンスはそれぞれにしても、前掲の決算資料によればエーペックスの新規ユーザーは30%増加と、順調に成長しているという。
たしかに日本におけるエーペックスブームは、EA社の業績を多かれ少なかれプッシュしていることは間違いない。ただ、ワンタイトルのヒットで企業をバラ色の未来へ導くことはできないようだ。
上図は、EA社のLive Service部門(オンライン配信ゲーム)売り上げの推移である。グラフ水色の部分がエーペックスの売り上げであり、急成長しているのは一目瞭然だが、グラフ紺色部分が示す「FIFAアルティメットチーム」には、まだ2倍以上の売り上げの開きがある。
EA社は世界的なプレーヤー分布を公式には発表していない。なお、第2四半期の決算発表で市場規模1位は北米、2位日本であることは明らかにしている。
ただ、エーペックスにおいては、「東京サーバーのプレイヤーが強すぎる」「台湾やオレゴンなどのサーバーに接続しても日本人がいる」など、特に日本のプレーヤーが多く、競技レベルも高いことが事あるごとに指摘されている。
すなわち、日本のゲーマーや個人投資家がイメージするほど、世界では注目を集めているタイトルではないということだ。実際のところ、海外のサーバーではマッチシステムの「過疎」が徐々に進行しているという。
FPSにおける最大のボトルネックは、不正なゲームアシストツールを使う「チーター」の存在だ。オンラインゲーム業界は黎明期からチーターの存在に手を焼いてきたが、ことPC版のFPSにおいては「いたちごっこ」である。
コンシューマー向けのオフラインソフトであれば、チートプレイはある程度黙認されるところもあるだろう。だがスポーツ性の高いネトゲではそういうわけにはいかない。
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